寺院用品塗装について 歴史ある装飾品を新品同様に復元します
寺院用品塗装について 歴史ある装飾品を新品同様に復元します
日本古来の木造建築である寺院、その中に祀られている歴史ある装飾品もその寺院の伝統を守り
受け継がれていくために、新品の装飾品への交換や復元を目的としたお洗濯加工がおこなわれております。
寺院には宗派による装飾品の区別がありますが、その寺院に伝わる特別な特徴を持った装飾品もありますので、
復元によるお洗濯加工も多くあります。
当社は寺院の装飾品も、お仏壇同様、卸業者様・小売店様よりご依頼を受け塗り加工を行っております。
古くから受け継がれる装飾品の形をそのままに、パテによる木地補正を行い吹き付け塗装をし、新品同様に復元させます。
また木地師により新しく作られた装飾品も塗装加工を行っています。
寺院用品も木地師・塗り師・箔置き師・金物師等による分業制が主流で、当社は塗り師に位置します。
こちらもコンプレッサーとガンを使った吹き付け塗装により加工日数短縮と低コスト化を図っております。
作業の流れ
新品の寺院用品やお洗濯の寺院用品も、卸売業者様や小売店様から解体された状態で当社に搬入されます。
寺院用品は大変多くの装飾品がございますが、当社では本尊を祀る宮殿や須弥壇から、
各卓、瓔珞小物までほとんどの装飾品の塗り加工をいたします。
- 【 1 】木地の状態調査
- 新品では木地成形時にできる小傷やひび割れがないか
お洗濯依頼による修復塗装なら今までの塗装の劣化具合ひび割れ傷み具合を調査します。
- 【 2 】木地補正
- 調査で見つけた不具合個所を業務用接着剤やパテを使用し理想の形状に成形していきます。
この時に木材そのものから出る樹液が発見されればウレタン樹脂によるヤニ止め加工を行 います。
- 【 3 】下地加工
- この先塗料を塗り重ねていく上で塗装が木材に吸い込まないよう用途に合わせて
一液性サフェーサー又は、3液性化学塗料のポリサフを塗装します。
仕上がりを見栄えよく立体感を引き立たせる目的の肉付け塗装にもなります。
- 【 4 】研磨と木地補正
- サフェーサーが乾いたのち研磨をし、細部まで理想の形状になるよう整えていきます。
この時点も不具合個所があればパテなどで補正していきます。
- 【 5 】中塗り加工
- 仕上げ塗装をより美しくするために中塗り塗装を行います。
用途に合わせてカシュー・ウレタン・ポリエステル塗装をしています。
- 【 6 】研磨と木地補正
- 中塗り塗料と仕上げ塗料の密着をよくするために細かなペーパー(紙やすり) を使って研磨をしていきます。
ここでも細かな傷や不具合がないか確認しあれば木地補正をします。
(状況に応じて(5)(6)を繰り返します)
- 【 7 】仕上げ塗装乾燥
- 完成した時に全面にでる最終仕上げ塗装になります。
細かなチリやホコリが付着しないよう締め切った部屋で塗装します。
卸業者様や小売店様を通じて最終的にはお客様に喜んでもらえるよう 細心の注意を図り仕上げ行き塗り上がったそのままのツヤ加減や美しさを保てるよう業界用語では室 (ムロ) と呼ばれる乾燥室で数日乾かし完成させます。
完成品 寺院用品の完成品一部紹介
取引先様監修の完成品(宮殿・須弥壇)
当社塗り加工
丸金台塗り加工後
寺障子塗り加工後